
京都府と府内市町村が共同で開発したシステムの運用が全面的に開始された。先行して2007年4月に運用が始まった文書管理システムと職員向け統合型地理情報システム(GIS)に加え、2008年2月から住民向け統合型GISと共同電子窓口サービスによる行政サービスの提供を開始。さらに、基幹業務支援システム、総務事務システム、統合財務システムなどの共同化も推進されている。京都府および府内の全市町村が参加する、京都府自治体情報化推進協議会が業務主体となって事業を実施し、全国初となる共同運用システムの開発にも意欲的に取り組むなど、“行政経営改革”の視点から情報システムの活用を図る試みは、自治体関係者の注目を集めるだけでなく高い評価を得ている。

京都府(きょうとふ)/京都府自治体情報化推進協議会
| ■位 置: | 日本列島のほぼ中央に位置し、北は日本海と福井県、南は大阪府と奈良県、東は三重県と滋賀県、西は兵庫県と接する。南北に細長い府域は、中央部の丹波山地を境にして気候が日本海型と内陸型に分かれる。 |
|---|---|
| ■面 積: | 4,613.00km2 |
| ■人 口: | 263万1,790人、110万4,395世帯(2008年4月1日現在) |
| ■沿 革: | 古くは山城、丹波、丹後と呼ばれた地域からなり、南部には京都市・宇治市などの観光都市が、北部はリアス式海岸で豊富な景勝地や天然の良港がある。京都府自治体情報化推進協議会は、京都府市町村長会議や京都府・市町村行財政連携推進会議などの合意に基づき、2005年4月に設立。政令市である京都市を含めた府内全市町村と京都府の計27団体の参加により、府と市町村の共通業務についてシステムの共同化を図り、業務改革や業務連携を推進するとともに、住民との情報共有や住民サービスの向上を図ることを目的に共同開発を進めている。 |
2005年4月に設立された京都府自治体情報化推進協議会は、政令市である京都市を含めた府内全市町村と京都府の計27団体の参加により、府と市町村の共通業務についてシステムの共同化を図るための共同開発を推進してきた。
府・市町村とデータセンターは京都府が整備を進めてきた「京都デジタル疏水(そすい)ネットワーク」で接続され、高速デジタル回線が共同システムの運用と利用を支える高度情報通信基盤として活用されている。
文書管理システムは、ICTの特性を生かした電子決裁機能と情報共有機能により、収受から起案、決裁、保存、廃棄に至るまでの文書のライフサイクル全般を管理する。意思決定プロセスのマネジメントと業務フローの簡素化、ペーパーレス化の促進を実現することが可能で、府と5市町村が導入。文書管理の共同運用システムとしては全国初の事例となった。

統合型GISは職員用、公開用、携帯電話用の3つのシステムからなる。職員用システムは、国土地理院から法定図書として精度認定を受けた高精度な地図上で、防災、土地利用、統計などの情報を府・市町村間で共有して業務連携に活用。地図や航空写真などのデータを共同利用することで業務の重複を避けるとともに、デジタル地図を活用したわかりやすい住民サービスの提供につなげる。職員用システムに登録した情報のうち、住民の安心・安全に関する情報などは、公開用システムによりインターネット上で公開し、パソコンや携帯電話での閲覧を可能とする。また、携帯電話用システムにより、カメラ付きGPS携帯電話で災害現場や不法投棄現場、道路陥没箇所などを撮影し、統合型GISの地図上に瞬時に表示することができる。
統合型GISは府と府内市町村が導入し共同利用している。また、職員用、公開用、携帯電話用のすべてを網羅する形態としては、統合型GISの共同運用は全国初の試みとなった。
共同電子窓口サービスは、府・市町村共同のポータルサイトを共同運用し、各種の電子申請・届け出や公共施設の案内・予約、申請書のダウンロード、イベントの申し込みなどのサービスを提供する。
共同電子窓口サービスには、京都市も含めて、2年以内に約3分の2の市町村が参加予定。京都市は共同電子窓口サービスに当初から参加しているが、電子申請・施設予約などの共同運用に政令市が参加しているのは大阪府(ただし堺市のみ)と広島県の事例があるのみで、全国的にも例が少ない。
こうした最先端をいく取り組みに加え、内部業務向けと住民サービス業務向け双方を含む多岐にわたるシステムを、約2年間という短期間で集中的に整備して本格稼動を開始したことも特筆に値するだろう。