情報システム効率化優良取組事例

発想の転換による「簡易申請システム」で電子申請を推進[1]ふくおか電子自治体共同運営協議会

  • インデックスへ
  • 事例紹介記事1
  • 事例紹介動画 WMV形式:10.8MB

ふくおか電子自治体共同運営協議会(ふく電協)では、公的個人認証やID/パスワードを不要とした、電子申請・届け出システムの簡易版を開発して共同運用することで、低コスト・短期間での導入を可能とした。協議会の検討部会における情報交換のなかから生まれた「簡易申請システム」は、将来的に不可欠とされる本格的な電子申請システム導入までの“つなぎ”と位置づけられるが、発想の転換の好例として今後の推移に注目が集まっている。

ふくおか電子自治体共同運営協議会

■団体の業務概要: 福岡県は、福岡市と北九州市の2つの政令指定都市を持ち、九州地方で最も人口が多い。ふくおか電子自治体共同運営協議会は、2002年10月に設立された任意団体で、県内66市町村のうち44市町村が参加。県と市町村が連携して共同利用センターを運用するほか、電子自治体の推進に取り組んできた。独自のデータセンターを持つ福岡市と、北九州地区および田川地区の自治体は参加していないが、現在、基幹業務システムの共同利用やシンクライアント導入、GISシステムの開発などに積極的に取り組んでいる。
■福岡県の面積: 4,974km2
■福岡県の人口: 504万8,713人、207万3,068世帯(2008年4月1日現在)

10手続きを簡易申請システムで電子化

ふくおか電子自治体共同運営協議会の事務局がある福岡県庁  ふく電協による電子申請・届出のための簡易申請システムは「ふくおかネット申請」と名づけられ、2006年10月に稼動を開始。それまで各市町村の窓口や郵送、電話などで行っていた手続きの一部が、24時間・365日、自宅のパソコンや携帯電話から申し込みできるようになった。

 当初稼動が可能となったシステムは、住民票の写しの交付予約申請、粗大ゴミの収集受け付け、水道(下水道)の使用開始・中止申し込み、イベント・講座の申し込み、施設予約、公営住宅入居申し込み(以上、住民向けサービス)、事業者登録(企業向けサービス)の7手続きを対象とするもの。その後、出生連絡票、広報誌掲載、県民手帳申し込みなどの手続きが追加された。

 福岡県内66市町村のうち、ふく電協には44団体が参加し、このうち26団体が「ふくおかネット申請」を利用した行政サービスを提供している。利用件数が最も多いのは事業者登録で、累計利用件数は5,000件を超え、次いでイベント・講座の申し込みが約500件と、多くの住民に利用されているという(2008年2月29日現在)。

公的個人認証もID/パスワードの事前取得も不要

「ふくおかネット申請」のトップ画面 「ふくおかネット申請」を利用するには、申請専用のホームページにアクセスし、「仮申請」フォーム(様式)に必要事項を入力してデータを送信する。送信後、「仮申請完了」のお知らせが返信されるので、そこにある本申請用のホームページアドレスとパスワードでログインし、登録ボタンをクリックして、本人確認のための「本申請」を24時間以内に行う。本申請終了後、「受付確定通知書」が返信されて手続きは終了する。公的個人認証やID/パスワード取得などの事前準備は必要ない。

 本申請が行われると、登録内容はあらかじめ設定された担当職員(部署)宛てに自動的に電子メールで送信される。その後の住民対応などは、原則として、従来の手続きごとに決められた運用方法に則して処理される。

 イベントなどの申し込みは、当日会場で、返信された通知の到達番号により本人確認を行う。住民票の写しは「交付申請の予約」にとどまり、指定された日時に窓口に出向いて到達番号と申請者本人であることの確認をしたうえで交付を受けることになるが、将来的には、書類は郵送で受け取り、手数料は近くの銀行やコンビニエンスストアなどで支払いができるようなシステム開発に取り組む方針という。

 個人情報などの情報漏えい対策として、住民・企業側はSSL対応のインターネット通信を利用し、職員側は「ふくおかギガビットハイウェイ(FGH)」回線を使用する。ただし、LGWANサービスユニットが共同利用センターに設置されていない団体は、固定IPにより自治体を特定したうえでインターネット回線を利用している。

  • インデックスへ
  • 事例紹介記事1
  • 事例紹介動画 WMV形式:10.8MB