証明書自動交付サービス

住基カードと独自の「かしはら市民カード」が併用できる自動交付サービス

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奈良県橿原市
橿原市

橿原市(かしはらし)

■面 積: 39.52km2
■人 口: 12万5,412人
■世帯数: 4万8,923世帯
(平成21年3月1日現在)

橿原市役所本庁舎 橿原市役所本庁舎

奈良県橿原市の概要

 橿原市は、奈良県のほぼ中央部に位置し、7世紀にはわが国初の首都であり本格的計画都市であった藤原京がつくられました。藤原京はわずか16年で都としての役割を終えましたが、大阪や京都にも近い交通の要衝として中世・近世・近代を通じて発展し続けました。万葉集にうたわれる畝傍山・耳成山・香具山の「大和三山」、初代天皇とされる神武天皇を祀る橿原神宮など、豊かな歴史と文化に彩られるまちでもあります。

 橿原市では、市役所と保健福祉センター(分庁舎)の2か所に計3台の自動交付機を設置していますが、住基カードだけでなく、市独自の磁気カード「かしはら市民カード」も使えるようにしていることが特色です。「かしはら市民カード」は発行から10年以上の歴史があり、市民の間に浸透していますが、逆にそれが住基カードの普及を阻んでいるという側面もありそうです。

かしはら市民カード

磁気カードの「かしはら市民カード」。自動交付機で各種証明書類の発行が可能磁気カードの「かしはら市民カード」。自動交付機で各種証明書類の発行が可能

 「かしはら市民カード」は、平成10年4月から従来の印鑑登録証(プラスチックカード)に替わるものとして導入されました。また、同時に市役所1階の市民課横に2台の自動交付機を設置し、平日夜間や土・日・祝日でも住民票の写しと印鑑登録証明書が受け取れるようにしました。つまり、「かしはら市民カード」の導入は、自動交付機の導入とセットになっており、「執務時間外でも住民票や印鑑証明が取れるように」という市民サービスの向上を目的としていました。システム構築や自動交付機の設置など、事業費は約3,000万円で、すべて市の独自財源によって賄いました。

 「かしはら市民カード」の交付を受けることができるのは、橿原市在住の市民(外国人登録者含む。ただし、15歳未満および成年被後見人の市民は対象外。また、15歳以上で未成年の市民は親権者の同意が必要)です。

 交付手続きは、本人が窓口に行き、本人確認書類(官公署発行の顔写真入証明書)を提示して交付申請書(住所・氏名・生年月日と、印鑑証明書および住民票の自動交付用暗証番号を記入)を提出すれば、即日交付ができます。代理人による申請書提出の場合は、受領した後、照会書を市から郵送し、本人がその内容を確認のうえ回答書を窓口に持参して、回答書と引き換えにカードを受け取ることになります。もちろん、新たに印鑑登録する場合は登録する印鑑も必要です。

 平成14年3月末をもって、従来の印鑑登録証は無効となったため、現在は印鑑登録を行う市民はすべて「かしはら市民カード」を保有していることになり、その発行枚数は約7万5,000枚です。

自動交付機の稼動率は全国トップクラス

市役所に設置されている自動交付機。市民の間にも浸透し、高い稼動率を誇る市役所に設置されている自動交付機。市民の間にも浸透し、高い稼動率を誇る

 当初、自動交付機は市役所だけに設置されていましたが、平成11年9月には保健福祉センター(分庁舎)にも設置されました。利用時間は、当初は平日が午前9時から午後7時まで、土・日・祝日が午前9時から午後5時まででしたが、平成13年6月から、市役所に設置の自動交付機については、平日・土日祝日とも午前8時からに利用時間が拡大されました。その後、保健福祉センターについても同じ措置がとられています。

 市役所に設置されている2台の自動交付機は、カーテンがつけられており、利用者のプライバシーが守られるように配慮されています。また、呼び出しボタンを押せば、すぐ隣に位置する市民課の職員が駆けつけて対応することにしています。執務時間以外に呼び出しボタンが押された場合は警備員が対応し、必要に応じて警備員から職員に連絡が行くようになっています。

 自動交付機を利用して住民票や印鑑証明の発行を受ける際の手数料は、1枚につき200円です。これは、窓口で発行する場合の手数料と同額ですが、もともと手数料を安く設定しているところから、自動交付機と窓口の間に差をつけないことにしました。今後、手数料の改定が必要になった際には、自動交付機での発行については金額を据え置くといった措置も考えられます。

 橿原市では、前述のように10年以上も前から自動交付機を導入しており、市民の間にすっかり浸透していることから、印鑑登録証明書の発行における自動交付機の利用割合は85%以上、多少操作の時間がかかる住民票でも約40%と、全国の市町村の中でも自動交付機の稼動率はトップクラスを誇っています。

住基カードと「かしはら市民カード」

 自動交付機は、平成19年9月18日から新しい機種に更新されました。これによって、今まで取り扱いできなかった「記載事項証明書」も自動交付機で発行できるようになるとともに、平成20年4月1日からは住基カードでも住民票の写し、印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書の自動交付を受けることができるようになりました。これに先立つ平成20年3月には、「橿原市住民基本台帳カード等の利用に関する条例」が制定され、この中で「かしはら市民カード」についても併せて規定されています。

 両カードが使えるシステムおよび自動交付機の改造に当たっては、システムベンダにすべて任せるのではなく、市職員も一緒になって基本設計などを考え、少しでも市民が使いやすいようにするとともに、領収書については必要に応じて選択してもらって発行するというように、できるだけ経費を節減できるような工夫も加えました。なお、画面に沿って操作の案内をする音声ガイドも、女性職員の声を録音したものを使用しています。

 こうして、システムと自動交付機を一新したとはいうものの、住基カードを自動交付機で使えるようにしている市民はまだ少数です。市民は、住基カードと「かしはら市民カード」双方を保有することはできず、住基カードの発行を受ける際は「かしはら市民カード」を返還しなければなりません。したがって、「かしはら市民カード」が広く市民に浸透している現在のところは、それを住基カードに変更するほどの積極的な理由が見あたらないということのようです。両者を比較すると、次のようなことが言えます。

  1. 「かしはら市民カード」は発行手数料が無料だが、住基カードは500円の発行手数料が必要。
  2. 「かしはら市民カード」は無期限に利用できるが、住基カードは10年間の期限が付されている。
  3. 「かしはら市民カード」は外国人登録原票に記載されている外国人市民も発行を受けることができ、自動交付機を利用して外国人原票記載事項証明書を受け取ることができる。しかし、住基カードは外国人市民には利用できない。

 これらは、いずれも「かしはら市民カード」のメリットです。一方、「かしはら市民カード」では不可能な住基カードのメリットとしては次のようなことが考えられます。

  1. 顔写真つきの住基カードは、金融機関などでの本人確認に利用できるが、「かしはら市民カード」は顔写真がついていないので本人確認の機能はない。
  2. 住基カードは市外に引っ越すときに転入転出届の特例が受けられるが、「かしはら市民カード」はそれがない。
  3. 住基カードはe-Taxなどの電子申請を利用できる。
  4. 住基カードは住民票などの広域交付を受けられる。

 ただし、1.と2.については、まだ利用者の絶対数が少ないうえ、市外に転出すれば改めて引っ越し先の市町村の住基カードを取得する必要があるなど、それほど大きなメリットを感じることができないのが現状です。4.については、市内で平日の夜間や休日でも自動交付機を利用できるので、必然性はあまりありません。1.についても、多くの市民が運転免許証を所持しているため、本人確認機能のメリットを感じられるのは、免許証を返上した高齢者などに限られます。

 橿原市市民課では、「住基カードにもっと市民の利便性を向上させる機能が付加されない限り、市民は『かしはら市民カード』の方を選ぶのでは」と話しています。

 住基カードの多目的利用の第一歩として、自動交付機によるサービスを開始した橿原市ですが、今後は自動交付機の高い稼動率も生かしながら、住基カードならではの利便性や付加価値を模索していくことが必要となるでしょう。

(本稿内容は、平成21年2月末現在のものです。)

お問い合わせ先

橿原市 市民経済部 市民課
〒634-8586 奈良県橿原市八木町1-1-18
Tel: 0744-22-4001(代表)

資料

(1)構築・運用費用

およそ、30,000,000円

(2)構築・導入に要した期間

平成9年4月~平成10年4月

(3)整備した条例等

  • 「橿原市住民基本台帳カード等の利用に関する条例」(制定)
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