証明書自動交付サービス

システムのオープン化も視野に入れた、住基カード普及と自動交付サービスの展開

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大阪府枚方市
枚方市

枚方市(ひらかたし)

■面 積: 65.08km2
■人 口: 40万6,454人
■世帯数: 16万5,780世帯
(平成21年3月1日現在)

枚方市役所 枚方市役所

大阪府枚方市の概要

 枚方市は大阪府の北東部に位置し、東部は京都府および奈良県と接しています。京街道の宿場町であり、かつて北河内郡役所も置かれた北河内地区の中核的な都市として発展してきました。戦後も大阪の近郊住宅地として人口は増え続け、昭和22年に市制施行、平成13年4月には特例市に移行しています。現在は、豊かな自然環境と文化・教育の風土をベースに、市内に立地する6つの大学とも連携しながら、「人を育む教育都市」「人をつなぐ文化都市」を将来像としたまちづくりが進められています。

IT装備都市研究事業実証実験で市民ICカード事業に取り組む

 枚方市では住基ネットの稼動に先立って、平成13年度に実施された「ICカードの普及等によるIC装備都市研究事業」(財団法人ニューメディア開発協会が実施)に参加しました。枚方市が行ったのは、池田市・羽曳野市・大阪地域情報サービスネットワーク協議会(オーパス協議会)との共同事業による「大阪スマートICカードコンソーシアム」という取組です。(1)行政サービス向けスマートカードの有効性検証、(2)広域連携による多目的カードの有効性検証、(3)実証モデルの検証の3点を目標として設定し、前記3市の市民などにICカードを発行しました(枚方市では8,000枚を発行)。カードの運用管理は広域カードセンターが一元的に行い、利用者からの問い合わせに対応するコールセンターの機能も担いました。

 利用できるサービスは、共通サービスと各市の独自サービスからなり、枚方市では証明書自動交付システムと地域情報予約システムを独自サービスとして提供できるようにしました。証明書自動交付システムは、市民ICカードによって本人確認を行い、市役所や出先機関に設置した自動交付機で住民票の発行を行うものです。また地域情報予約システムは、行政窓口に設置された申請端末から、市民ICカードを利用して体育館などの公共施設の利用を予約できるサービスです。

 この実証実験の際に、市役所に2台、京阪枚方市駅構内に1台の自動交付機を設置しました。ただ、カードの発行枚数が8,000枚限定のため、広く市民に利用を呼びかけることができず、効果は限定的なものにとどまりました。

住基カードによる自動交付サービスの開始

より稼動率が高い市役所本館1階市民ホールに移設された自動交付機より稼動率が高い市役所本館1階市民ホールに移設された自動交付機

 平成14年度には、庁内にICカード活用検討部会が設置されました。情報推進課、企画課、市民課といった関係各課で構成され、住民基本台帳カードの導入を視野に入れて、枚方市としてICカードを市民のためにどう役立てるべきかを研究することを目的としていました。同部会は現在も継続しており、住基カードの利便性向上や市民サービス付加についての検討を行っています。

 そして、平成17年12月、市民ICカードから住基カードに切り替え、既設の自動交付機を利用して住民票の写しを発行できるようにしました。翌年1月には、村野分館に設置していた自動交付機を枚方市駅サービスセンターに、市民病院に設置していた交付機を市役所本館1階市民ホールにそれぞれ移設して、利用者の拡大を図りました。ただ、この時点では、自動交付機で発行できる証明書が住民票の写しに限られていたこと、証明書発行手数料が窓口と同じ300円だったことなどから、利用者数にそれほどの伸びはありませんでした。

住基カードを活用した自動交付機導入推進事業

 平成18年7月、枚方市は財団法人地方自治情報センター(LASDEC)が公募した「ICカード標準システム実証実験団体」に選定され、コミュニティWEBサイト活用実証実験事業を行いました。これは、パソコンおよびインターネット環境を整備することで地域コミュニティの情報共有・情報伝達を活発化するとともに、ネットワーク環境を整備するうえでセキュリティ確保のため、住基カードにより個人認証を行うことを目的としたものでした。

 続いて同年12月には、やはりLASDECによる「住民基本台帳カードを活用した自動交付機導入推進事業」の実施団体に選ばれました。これを受けて、関係各課による協議と準備が進められました。市民課は条例改正や市民へのPRなど、情報推進課はシステム構築、総務管理課は施設の見直しなどを担当し、平成19年8月から多様な事業が実施に移されました。これによって、住基カードの発行枚数や自動交付機の利用件数は大きく増加することになりました。このとき実施した事業の内容は、次のとおりです。

自動交付機の増設と機能の強化

市役所別館の自動交付機ブース。セキュリティ面での強化とともにより利用しやすいよう改修された市役所別館の自動交付機ブース。セキュリティ面での強化とともにより利用しやすいよう改修された

 まず、自動交付機で発行する証明書を住民票の写しに加え、印鑑登録証明書との2種類に増やしました。また、自動交付機を5台増設し計8台にしました。さらに平成19年8月には、市役所本館市民ホール2台、枚方市駅サービスセンター1台、市役所別館北出入口1台の4台とし、同年12月には津田・香里ケ丘・北部の3支所に各1台と「輝きプラザきらら」に1台の計4台を増設しました。

 市役所別館北出入口と輝きプラザきららに設置した自動交付機については、年末年始以外は土・日・祝日も稼動し、稼動時間も午前9時から午後9時までとしました。

 市役所別館については、市民が夜間や土日に自動交付機を利用できるように改修工事を行い、障がいを持つ市民も出入りしやすいよう自動ドアにするとともに、二重ドアの内側のほうは職員証がないと開けないようにしてセキュリティの確保を図りました。

 自動交付機の強化とともに基幹システムとの連携についても取り組みました。従来の自動交付システムは、最初に開発を委託したシステムベンダのホストコンピュータに依存してデータ連携を行っていました。これを汎用データベースにすることで、複数のシステムベンダによる指名競争入札が可能になったため、調達に競争原理が働き、価格を抑えることにつながりました(平成19年度「電子自治体ベストプラクティス」情報システム効率化優良事例「枚方市」参照)。また、これに伴い、既設の3台の自動交付機をすべて新しいものに更新しました。

住基カードのメリットを積極的にPR

 枚方市では、来庁した市民への案内を行うフロアマネージャーを市民ホールに配置していますが、このフロアマネージャーが中心となり、証明書の交付申請などに訪れた市民に対して、積極的に住基カードの利便性を案内するように努めました。また、証明発行コーナーの窓口横に住基カードの専用デスクを設置して臨時職員を常駐させ、継続的な広報活動を展開しました。やはり、印鑑登録などに訪れた市民に対して直接説明することが確実で効果も上がりました。

 利用料金の面でも自動交付機による証明書の発行手数料を300円から200円に引き下げ(窓口での発行は従来どおり300円)、住基カードのメリットを明確化しました。

 一方、住基カードの交付については、即日交付を行っている市民課に設置している住基カード発行機を平成19年8月に1台増やして2台としました。これによって、市民の待ち時間を短縮するとともに、故障した場合のバックアップとすることができました。

住基カードのさらなる普及促進を目指す

住基カードによる公的個人認証の鍵ペア生成装置端末住基カードによる公的個人認証の鍵ペア生成装置端末

 市民のニーズを把握するために、市政モニターを対象に住基カードと自動交付機についてのアンケート調査を実施しました。対象者180人のうち138人から回答を得ましたが、その結果、住基カードを知っている人は80%弱、住基カードに関心があると答えた人も過半数いましたが、実際に持っている人は約14%にとどまりました。また、自動交付機が市役所などに設置されていることを知っている人は約18%、自動交付機による証明書発行のほうが安くなることを知っている人は約22%にとどまり、周知不足という現状が浮き彫りになりました。

 こうした結果を受け、市が主催するイベント(敬老の日、食育、人権週間事業)において、住基カードのPRチラシと申請書を計3,000枚配布。敬老の日のイベントでは、「運転免許証を返納したら住基カードが身分証明書代わりになりますよ」とアピールしました。

 その他、ケーブルテレビ「K-キャット」でも、自動交付機や住基カード、e-Taxについての案内を放映しました。なお、e-Taxの利用促進と併せて、早期に税務署に住基カードのパンフレットと申請書を置いてもらいました。

 確定申告シーズンを控えた平成20年1月11日から26日までの間は、住基カードおよび公的個人認証サービスの申請・交付業務について、平日は午後7時まで時間を延長し、土曜日も午前9時から午後5時まで実施しました。さらに、市内在住の全職員に対しては、所属長経由で住基カードを保有するよう働きかけています。

 こうしたさまざまな取組の結果、住基カード交付枚数は、平成20年12月末現在で1万394枚となりました。対住基人口交付率は、平成17年度末の時点では0.64%、平成18年度末では1.40%でしたが、平成20年12月末現在は2.56%まで向上し、大阪府の平均に比べてかなり高い数字となっています。

今後に向けて

 住基カードの多目的利用の拡大については、平成21年度中に市・府民税の課税証明書を自動交付機で発行できるようにする予定で、現在システムの改修を進めています。税証明は、住民票の写し・印鑑登録証明書に次いで、交付枚数が多い証明書であり、市民のメリットが大きいと判断したからです。

 今後、枚方市としてはシステムのオープン化推進にも伴い、住基カードと自動交付機にさらに付加できる機能について積極的に検討していくとともに、今後も周知活動を継続して利用を促進していく考えです。

(本稿内容は、平成21年2月末現在のものです。)

お問い合わせ先

枚方市 市民生活部 市民課
〒573-8666 大阪府枚方市大垣内町2丁目1番20号
Tel: 072-841-1221(代表)

資料

(1)構築・運用費用

項目 内訳 金額 備考
ハードウェア 62,460,000円 うち50,000,000円が地方自治情報センターの助成金
ソフトウェア 46,074,000円
システム導入作業 3,402,000円
広報活動 118,000円
その他 8,108,000円
合計 120,162,000円

(2)構築・導入に要した期間

平成18年6月~平成19年3月

(3)整備した条例等

  • 枚方市住民基本台帳カードの利用に関する条例
  • 枚方市住民基本台帳カードの利用に関する規則
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