
日時や時間帯によっては混雑する市役所本庁舎・市民課の窓口
追加導入として市役所西口玄関の風除室に設置された自動交付機
埼玉県南東部に位置する越谷市は、元荒川、古利根川、綾瀬川、新方川、中川の一級河川のほか多くの河川用水が流れ、古くから自然に恵まれた「水郷こしがや」と呼ばれてきました。首都東京から25 km圏内という地理的環境から、平成8年に県内6番目の「人口30万都市」の仲間入りをするなど、県南東部地域の中核都市として発展を続けてきました。
平成20年11月に市制施行50周年を迎えた越谷市は、「水と緑と太陽に恵まれた ふれあい豊かな自立都市」をキャッチフレーズに、安全で、便利で、快適なまちづくりを進めています。
一方、著しい情報化の進展や市民の価値観の多様化等、社会情勢が大きく変化する中で、厳しい財政環境の下に時代の要請に即した事務を行なう必要が求められています。そのためにはICTの利活用が不可欠で、インターネットを活用した情報発信や多言語自動翻訳などにも積極的に取り組んでいます。
平成15年8月には、住民基本台帳カードを利用した自動交付機をいち早く導入し、市民ニーズに応じたサービスの向上と事務の効率化を図りました。ただし、自動交付機は住基カードと独自の市民カードの両方に対応させるなど、市民ならだれでも使える行政サービスの実現を目指しています。
最も利用件数が多い市役所本庁舎のホールに設置された自動交付機
ホールの自動交付機は市民課窓口から誘導しやすい受付前にある
証明書交付などの窓口業務は、市域中心部にある市役所本庁舎のほか、利便性の高い鉄道の駅の近くに北部出張所(北部市民会館内)と南部出張所(越谷コミュニティセンター内)を開設して、業務の分散を図ってきましたが、年間を通して証明書交付業務が本庁舎に集中する傾向が続いていました。
そこで、課題であった窓口の混雑緩和を図るとともに、交付を受けられる場所の拡大や時間外サービスの提供を可能とするため、自動交付機を3台導入して平成15年8月に稼動を開始しました。
設置場所は、業務の分散を図るために本庁舎・出張所以外の場所を選定し、桜井地区センター、南越谷地区センター、消防本庁舎の3か所に専用ブースを設けました。その後、自動交付機の利用促進のため平成19年8月に2台の追加導入を決定し、本庁舎の西口玄関(風除室)と市民課窓口受付前(ホール)に設置しました。
稼動時間は、年末年始を除く毎日、平日は午前8時30分から午後8時まで、土・日・祝日は午前8時30分から午後5時までとしました。本庁舎ホールの交付機は市役所開庁時しか利用できませんが、いちばん人目につく場所にあること、窓口などで交付機の利用を促す際は最寄りの場所となることなどから、利用件数は全5台のうち最多となっています。
自動交付機で発行する証明書は、当初から住民票・印鑑証明・税証明・戸籍証明(謄本・抄本)の4種類を想定してシステムを構築し、平成15年8月の自動交付機稼動と同時に住民票と印鑑証明、平成17年1月に戸籍証明、平成19年8月に税証明の発行を順次可能としました。本来、戸籍事項証明書も住民票・印鑑証明と同時に開始予定でしたが、法務省への認容照会に期間を要したため同時に開始できませんでした。
証明書の自動交付手数料は、戸籍証明が450円、その他が200円で窓口交付と同額ですが、申請書の記入や身分証明書の提示、窓口での待ち時間などがなくなります。また、時間外(とくに平日夜間)に利用できるのは便利だとの声が多く、自動交付機の利用率は年々上昇しています。
自動交付機を利用するには、事前に住基カードまたは「こしがや市民カード」を取得し、暗証番号を設定する必要があります。「住基カード」はセキュリティレベルと拡張性が高いICカードで、交付手数料は500円(平成20年4月以降は無料)、有効期限は10年。一方、従来の印鑑登録証の切り替えを目的のひとつとする「市民カード」は磁気カードで、無料・有効期限なしという違いを説明し、どちらも自動交付機の導入とあわせて平成15年8月から交付を開始しました。
市民カード機能の住基カードへの一本化は、カードを印鑑登録証として使用する上で課題が残ることもあり、このときは行いませんでした。住基カードの有効期限への対応、券面に記載する印鑑登録番号の扱い、外国人による印鑑登録の増加など、印鑑登録証としてのカードが別に必要となる場合を考慮した結果です。
2種類の新しいカードの交付を同時に開始したことによる混乱は特になく、目的と必要に応じたカード取得が進んだといえます。
交付手数料を無料としてからは、住基カードの交付枚数が急増しており、平成21年1月には累計で1万枚を超えました。今後、自動交付機の利用率上昇に伴い住基カードの普及率も向上することが期待されています。
| 年度 | H15(*1) | H16(*2) | H17 | H18 | H19(*3) | H20(*4) | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 市民カード | 交付枚数 | 9,516 | 15,186 | 15,362 | 14,325 | 14,519 | 11,350 |
| 累計 | 9,516 | 24,702 | 40,064 | 54,389 | 68,908 | 80,258 | |
| 普及率 | 3.04% | 7.89% | 12.78% | 17.27% | 21.77% | 25.22% | |
| 住基カード | 交付枚数 | 1,212 | 892 | 929 | 1,448 | 2,293 | 3,510 |
| 累計 | 1,212 | 2,104 | 3,033 | 4,481 | 6,774 | 10,284 | |
| 普及率 | 0.39% | 0.67% | 0.97% | 1.41% | 2.14% | 3.23% | |
| 年度末人口 | 312,604 | 313,025 | 313,395 | 314,979 | 316,521 | 318,269 | |
| 住民票 | 自動交付件数 | 632 | 2,295 | 3,509 | 4,460 | 7,763 | 10,338 |
| 利用比率 | 0.30% | 1.16% | 1.73% | 2.26% | 4.18% | 7.38% | |
| 印鑑登録 | 自動交付件数 | 803 | 3,598 | 5,714 | 6,496 | 10,933 | 13,933 |
| 利用比率 | 0.50% | 2.46% | 3.68% | 4.56% | 7.99% | 13.38% | |
| 戸籍 | 自動交付件数 | 21 | 264 | 407 | 873 | 1,371 | |
| 利用比率 | 0.05% | 0.62% | 1.07% | 2.31% | 4.49% | ||
| 税 | 自動交付件数 | 211 | 514 | ||||
| 利用比率 | 0.58% | 1.59% | |||||
越谷市では、今後も従来の印鑑登録証から市民カードへの切り替えを行い、同時に自動交付サービスを利用するために必要な暗証番号の登録を積極的に推奨し、自動交付機の利用促進を図ります。
一方、住基カードは、公的個人認証サービスや広域交付住民票の申請、付記転出・付記転入などに利用でき、顔写真付きの住基カードは公的な身分証明書となるという基本的な機能に加え、暗証番号を登録することにより市民カードと同様に自動交付機を利用できる高機能ICカードとして普及を図ります。
平成20年度は、成人式で「ハタチの自分に写真付き住基カード」というキャッチコピーをつけたチラシを配布したところ、市役所への問い合わせが増えました。今後も、ホームページや広報誌、ケーブルテレビなどで住基カードのPRを続ける予定です。
ただし、将来的には「住基カードだけで」使える住民サービスではなく、「住基カードでも」使えるサービスの拡充が望まれます。
自動交付機については、駅やショッピングセンターなど人の集まる場所に設置してほしいという要望が根強くあります。自動交付サービスを開始した平成15年当時は、自動交付機の設置場所はまだ公共施設内に制限されていましたが、他の事例にもみられるように、現在はセキュリティの確保や規制の緩和により、商業施設をはじめ、さまざまな場所に自動交付機が設置されています。市民ニーズの高いこの課題にどう応えていくかが、今後の課題といえるでしょう。
(本稿内容は、平成21年2月末現在のものです。)
越谷市 市民税務部 市民課
〒343-8501 埼玉県越谷市越ヶ谷4-2-1
Tel: 048-964-2111(代表)
| 項目 | 内訳 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 構築費用 | 自動交付機5年リース(3台) | 125,811,000円 | 平成15~19年度の5年分 |
| システム構築委託料 | 11,000,000円 | 初年度のみ(平成15年度) | |
| 自動交付機追加5年リース(2台) | 6,746,000円 | 平成19~23年度の5年分 | |
| 運用費用 | 自動交付機運用管理委託 | 7,000,000円 | (平成20度予算額) |
| 自動交付機運用保守委託 | 4,424,000円 | (平成20度予算額) | |
| 24時間警備保守業務 | 745,000円 | (平成20度予算額) |
平成14年4月~平成15年8月