
「総合窓口」は届出・証明・申請相談の各窓口が連携して275業務を取り扱う
総合窓口の一環として市民課の届出窓口に設置されたローカウンター
福島県中通りの南端、栃木県と境し、古くから「みちのく」といわれる東北地方の玄関口に位置する白河市は、那須山脈の阿武隈水系の源、甲子山麓の丘陵地帯に開けたまちです。
「奥州三古関」のひとつとして知られる白河の関は、奈良・平安時代頃に存在した国境の関で、蝦夷(えみし)の南下や通行人、物資などの往来を取り締まる機能があったと考えられています。やがてその機能が失われ廃関となってからは、歌枕の関として再び知られるようになりました。
白河市は、県南地方の中核都市として、また環首都圏を形成する地域のひとつとして、着実な発展を遂げてきました。新しい全国総合開発計画である、21世紀の国土のグランドデザインにおいて提唱されている北東国土軸上に位置しており、東京から185 kmという地理的優位性のもと、東北新幹線などの高速交通体系の整備に伴う首都圏への通勤・通学者も増えています。
白河市では、市民の利便性の向上と負担軽減を図る窓口業務の改善にも早くから取り組み、平成16年11月に戸籍の電算化を、平成17年1月に総合窓口でのワンストップサービスを実施しました。
平成17年11月には、旧・白河市と西白河郡表郷村、東村、大信村が合併して新・白河市が発足し、電算システムの統合などによる事務の効率化をさらに進めました。その一環として、住民基本台帳カードを利用した自動交付機を導入し、新市域での市民サービスの向上を図りました。
移設後は月平均で600件以上の利用件数がある本庁舎の自動交付機
公的個人認証の暗証番号入力・変更は市民課窓口への届出不要で行える
合併に先立ち、4市村による合併協議会では、新市発足後の情報システム再構築等に関する検討と合意の形成を進め、電算システムと内部情報システムは、白河市のシステムに統合することを決定しました。
一方、表郷村では、平成15年10月から、独自の磁気カードを利用した自動交付機による住民票の写しと印鑑登録証明書の自動交付サービスを提供していました。合併に当たり、表郷村の自動交付サービスは新市に引き継ぎ、他市村は新たに自動交付機を導入することを決定しました。
新市は、ICカード標準システムを導入し、住基カードを利用した自動交付機4台による自動交付サービスを開始することとしました。表郷村の自動交付機も新システムにリプレイスし、利用するためのカードは、セキュリティレベルと拡張性が高い住基カードに一本化しました。
取得できる証明書を多種類とすることにより、自動交付機の利用率向上を図るという目的から、対象とする証明書として住民票(世帯票および個人票)、印鑑証明、税証明(所得課税証明書)に加え、戸籍(全部事項証明および個人事項証明)を含めた準備作業を進めました。
戸籍証明の自動交付は、他団体における導入事例が増えていたことから、法務省との協議も順調に進めることができました。また、戸籍のコンピュータ化改製が既に行われていることが前提条件となりますが、表郷村は平成9年10月に実施済みで、その後、平成16年11月に白河市、平成17年8月に東村、同年9月に大信村がそれぞれ電算化を実施しました。
即日交付のため4庁舎すべてに導入されたカードプリンタ
窓口にデジタルカメラを常備して写真付き住基カードの交付申請に対応
自動交付機の導入は、平成17年度事業としてシステム構築に取り組み、合併直後の平成18年1月から、自動交付の運用実績があった表郷庁舎で先行して試験稼動を開始しました。ただし、戸籍証明はこの試験稼動の対象外としました。
約2か月間の試験運用を経て、平成18年3月から、表郷庁舎を含むすべての設置場所で、戸籍証明を含む証明書自動交付の本格稼動を開始しました。
自動交付機は、当初、多目的公共施設「マイタウン白河」、表郷庁舎、大信庁舎、東庁舎の4か所に設置しました。このうちマイタウン白河の自動交付機は、平成20年6月に市役所本庁舎へ移設しています。
稼動時間は、年末年始を除く毎日、午前8時30分から午後8時まで。ただし、土・日・祝日は本庁を除き午前9時から午後5時までと、各設置場所の状況に応じた運用としました。
証明書の自動交付手数料は窓口交付と同じ200円でしたが、平成20年7月に交付手数料の見直しを行い、住民票・印鑑証明・税証明等の窓口手数料を一律300円に改定。ただし、自動交付機で取得できる証明書の手数料は、200円に据え置きとしました。戸籍関係の手数料については、窓口・自動交付ともに据え置きとし、金額に差はありません。
こうした取組の結果、自動交付機4台の利用件数の合計は、月平均で平成17年度が58件、18年度が190件、19年度が264件と年々増加してきました。
特に、自動交付機の本庁移設と手数料据え置きを実施した平成20年7月以降は利用件数が急増し、6月の合計302件に対し、7月は860件と2倍以上に増加。本庁に移設した自動交付機だけをみると、6月が103件、7月が636件と大幅な利用増があり、稼動率向上につながっています。
自動交付機の普及とあわせて住基カードの交付枚数も増加しています。合併時点の平成17年11月には交付枚数累計が477件でしたが、平成17年度末までに1,771枚と3倍以上に増加し、18年度が3,679枚、19年度が6,316枚。20年度は平成21年1月末現在で7,786枚となり、対住基人口比で普及率10%を超えました。
平成19年度には住基カードの多目的利用普及促進事業を実施し、住基カード交付の促進を図りました。ダイレクトメールやポスター・チラシの作成、新規カードの購入などを行った結果、平成19年度の交付枚数は対前年比38%増の2,637枚となりました。
カードは、市役所の本庁舎と表郷・東・大信の各庁舎の窓口で即日交付できる体制を当初から整備しました。印鑑登録のために来庁した市民に住基カードの取得を勧めるような場合、即日交付であればその場で交付申請につながる可能性が高まります。また、交付申請はしたものの受け取りにこないという、カードのロスを防ぐこともできます。
カードの取得にかかる交付手数料500円が普及の妨げとなっている面はありますが、特別交付税を利用した交付手数料の無料化などは、既に取得した市民との不公平にもつながることから現在のところ実施していません。
しかし、最近は行政機関だけでなく金融機関などでも本人確認のための身分証明書の提示を求められる機会が増えているため、写真付き住基カードの公的身分証明書としての利用など、カード取得のメリットを積極的にPRしていくことが重要だと考えます。
今後、住基カードに図書館カード機能を搭載するなど、多目的利用を拡大することが期待されていますが、開発費用やメンテナンス費用を含めた検討が必要となります。また、現在の自動交付システムは市内に限定したサービスであり、投資費用の面からも広域的に利用可能な自動交付機の普及が望まれ、残された課題となっています。
(本稿内容は、平成21年2月末現在のものです。)
白河市 市民部 市民課
〒961-8602 福島県白河市八幡小路7-1
Tel: 0248-22-1111(代)
| 項目 | 内訳 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 構築費用 | ICカード標準システム導入費 | 62,797,000円 | (平成17年度事業) |
| 運用費用 | 使用料・消耗品費等 | 6,288,000円 | 著作権料含む |
平成17年5月~平成18年3月